今、気になっていることは「もっと自分を知ってもらうには」ですがこんなニュースがあります。

"和"はブームではなく、日本人の深層美意識だ。
そう思ったのは、ここ最近なぜか和にひかれたからだ。
身の回りの和モノは、和紙名刺入れに和紙ペンケース、和紙ブックカバー、和柄のPCケース(相棒cherryさんに作ってもらった)、漆のマウス、扇子など。
プラス和にしたい"もの"や"こと"もある。
名刺で活版+和紙に挑戦したい。
和柄の傘も欲しい。
お香をたいて過ごしたい。
手書きの手紙、日本文学の再読、そして和柄の猫も飼いたいな。
そんな私の甘っちょろい和好きを木っ端みじんに打ち砕く男に会った。
彼の名は増田吉孝さん(31歳)。
歩く姿はもちろん、暮らしも仕事も"和のこと"でいっぱい。
池袋の某喫茶店で待ち受けていると、彼はゆったりと着物姿で現れた。
「そのお姿で働いているんですよね?」
「ええ。
会社では机の下にゴザを敷いて、はだしで仕事をしています」
仕事はシステム開発で、お隣の人はごく普通に靴を履いているそうだ。
だが彼は、2年ほど前から普段から着物を着ているという。
「えっ」と絶句したのは、パンツではなくて、ふんどしを使っていると聞いた時。
「慣れるものなのですか?」
「慣れますよ」と涼しい顔の増田さん。
さらしを買って、ふんどしサイズに自ら切って"白ふん"を作った。
彼のWebサイト「和の暮らしを楽しむブログ 瑠璃色Tradition」の2年ほど前のエントリーには、初めて着物で生活する様子が書かれている。
読んでみると、「帯が(家の)ドアノブにひっかかってビリっとやっちゃった」とある。
なるほど、洋風家屋には出っ張りが多い。
これから寒くなる季節は羽織を着て出社するという。
粋だなあ。
●和の暮らしを楽しむブログの良さ
「和」「暮らし」の検索キーワードでGoogle検索すると、トップから3番目という好位置に表示される「和の暮らしを楽しむブログ」は運営開始から約3年になる。
最近のエントリを見ると、「大友昇平さんの極道イラスト」「焼きなこもち」「伝統工芸品とハローキティ」「錦絵」「米沢織りスリッパ」と和が特盛りだ。
WordPressで自作したサイトは、すばらしく良くできている。
トップバナーでサイト内容を紹介し、その下に広告バナー。
メインコンテンツとなるエントリは高頻度で更新。
右カラムには広告やブログの説明、カテゴリーリストもコンパクトにまとまっていて、タグクラウドも和の用語でいっぱいだ。
世間の和ニュースも逐一紹介している。
ちなみに自宅では、床に2枚の畳を敷き、ちゃぶ台と座椅子を置いた和のポジションでMacBook Proから更新するという。
座椅子は旅館にあるようなひじ掛け付きという徹底ぶり。
●和は私たちの深層にある
仕事では携帯サイトを開発しているというからこのあたりのデザインはお手のものなのだろうが、アクセス数が集まる秘密は網羅性と更新頻度、そしてこだわりにある。
「どうして和なんですか?」
「最初はブログが続かなくて、ページビューも増えないのでどうしようかと思っている時に、自分の興味があるのが和だと気付いたんですね。
そこで、和柄や和のアイテム、和のことを紹介しだしたのが始まりです」
増田さんが育ったのは、和洋折衷のごく普通の家庭。
しかし、盆や正月行事、ひな祭り、端午の節句など、日本の伝統行事を大切にする家庭だったのが、深層にあったと言う。
コメントが多かったエントリ「世界遺産の熊野古道を着物で歩いたった!」の一場面を紹介しよう。
熊野古道を着物、股引(ももひき)、雪駄(せった)で歩く。
スピリチュアルなジャングル古道、たすきがけの姿がばっちり似合っている。
和の情報を発信するだけではなく、和に関連したプロダクトも開発する。
人気の「幕末古写真ジェネレーター」(写真を江戸から明治期の古い写真ぽく加工するソフト)や「古民家スポットコミュニティ ふるみる」(全国の古民家スポットを教え合うサイト)などは、PHPとJavaScriptを駆使して開発した。
システムと和、とことん突き詰めるのが増田さん流である。
●面白い、楽しい、気軽な和
増田さんの股引姿で分かるように、彼が目指すのは堅苦しい和ではなく、面白い、楽しい、気軽な和。
もちろん伝統や格式、礼儀作法などは大切だが、若い世代にとって和は「古きを訪ねる」だけではなく「新しいもの」という感覚がある。
ある日曜日、私は和服姿の20代カップルを電車で見かけた。
その姿は板についていた。
2人を見て思った。
着物には新鮮なテイストのデザイン、独特の着心地や肌触りがある。
色柄をどうコーディネイドするか、洋服では体験できないワクワク感がある。
着物を着ると、アクセサリーも変わる。
女子ならカチューシャがかんざしとなり、ハンカチは手ぬぐいに、ネックレスは数珠に。
男子は扇子と懐手(ふところで)姿だけでも『ヴィヨンの妻』(増田さん注目の映画)の浅野忠信さんになりきれる。
着物は何度も仕立て直しができて、帽子や刺し子の材料にもなる。
雑巾になるまで使い倒せるので"Mottainai"が注目される現代にもピッタリだ。
●和は平和、調和、なごみ
江戸時代に迷いこんだ脳外科医のドラマ「JIN -仁-」が人気だが、それは和の全盛期にタイムスリップして同化する楽しさがあるからだろう。
「和の魅力って何でしょうか?」と増田さんに聞いてみた。
「気持ちが落ち着くこと、ですね」
和とは平和、調和、和みにも使われる言葉。
スローな感じ、ギラギラじゃない落ち着いた色合いの世界、自然や祖先を崇める清々しさを意味する。
日本や日本人をもっと良くするためのキーワードなのである。
和の価値観に賭けて増田さんは会社を退職し、2009年11月に独立する。
すでに和の暮らしを楽しむブログから発展した「ワノコト」を立ち上げ、和のメディアサイトの運営を開始した。
思い切ったことだが、いけそうな感じはする。
ぜひ社屋は古民家、社員全員が和服の会社を作ってほしい。
売上計算はエクセルではなくて算盤で(笑)。
私も着物でお邪魔するので。
【郷好文】
最終更新:10月22日19時59分
今、財布
が安いです。
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