今、気になっていることは「兵庫県の再度山 大龍寺に関して」ですがこんなニュースがあります。
どうしても見比べてしまうNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』とフジ開局50周年ドラマ『不毛地帯』。
政権交代後の混迷の時代に放映されるドラマとして、両者ともに意義があるし、良い出来映だと思う。
が、どちらかというと『坂の上の雲』に肩入れしてしまう。
どうしてだろうか?
全国的に見ても肩入れ度合いは、NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』に分があるようだ。
『不毛地帯』の視聴率は以下の通り。
第1回 14.4%
第2回 11.1%
第3回 11.6%
第4回 9.9%
第5回 11.8%
第6回 10.7%
第7回 10.6%
第8回 11.4%
と、10%を少し超えたところに留まっている。
一方『坂の上の雲』は、まだ、2回だけの放送なのだが、第1回17.7%、第2回19.6%、20%超えも目前、単純に『不毛地帯』の約2倍である。
1回目から2回目への視聴率が、『不毛地帯』が3%下げたのに対して、『坂の上の雲』は、2%の上昇を示している。
そのプラスマイナス5%の差は、全体で10%に。
この10%の違いは、意外に大きい。
それこそが、今の日本国民の意思ではないかと思う。
例えば、この夏の政権交代が起こった衆院選挙。
自民と民主の得票数を4年前の郵政民営化選挙と、比較して見ると、小選挙区定数300人の議席獲得における獲得票数の移動は下記のようになる。
自民党:獲得票48%(226議席)→ 獲得票39%( 64議席)
民主党:獲得票36%( 54議席)→ 獲得票47%(221議席)
全体の10%の人達の行動の変化が、政権交代という大きな時代の流れを作ったことになる。
『坂の上の雲』と『不毛地帯』の間に生まれた視聴率10%の差にも、読み取るべき意味がある。
『坂の上の雲』が、「偉大な明治の政界」を描いているとしたら、『不毛地帯』は、「闇の昭和の財界」を描いている。
『坂の上の雲』は、「軍師」の物語であり、『不毛地帯』は、「策士」の物語である。
『坂の上の雲』にあるのは、「希望」であり、『不毛地帯』にあるのは、「疑心」である。
『坂の上の雲』の主人公たちは、『出会い』に喜々とし、『不毛地帯』の主人公たちは、「別れ」に苦悩する。
『坂の上の雲』からは、「日本が戦争を始めた理由」を知ることができ、『不毛地帯』からは、「日本が敗戦を処理しきれない理由」を知ることができる。
のぼっていく坂の上の青い天にもし 一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすればそれのみを見つめて 坂をのぼっていくであろう。
(司馬遼太郎『坂の上の雲』序文より)。
このナレーションに単純に、心が震える。
経済的には、辛い時代である。
でも、坂の上に何かあるかもしれないと思えたら、明日の朝も、仕事に行こうかなという気になる。
日本国民の「政治」への関心は、「希望」の表れである。
「軍師」への期待である。
『坂の上の雲』が『不毛地帯』より受け入れられる理由は、人間は、「何かが始まることに心が揺さぶられる」非合理な欲求を抱えて生きているからである。
時代は、それがあってこそ進化してきたことを、日本国民は、身を持って知っているからである。
現在、みんなが納得する都合の良い「一朶の白い雲」なんてないことは分かっている。
しかし、『坂の上の雲』が、良書として親しまれ、ドラマとなっても20%の視聴率を稼ぐということは、日本国民には、まだ「坂をのぼる非合理を選択する勇気」は潜在しているということだと信じたい。
一朶の白い雲が輝いているとすればそれのみを見つめて 坂をのぼっていくであろう人達をあざ笑うことなく、足を引っ張ることもない人達が、この国には、少なくとも20%いると信じてみたい。
(中村修治)
最終更新:12月15日18時26分
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